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植物のある暮らし。
アロマ、ハーブなどのグッズや、プランツ、食、ガーデングッズなど、
フィトセラピー・植物のちからの具体的な利用方法などを紹介していきます。

  • #053 2019.11.14
  • スマホ疲れには植物の癒しで
  • スマホ依存は将来的に、人の骨格まで変えてしまうかもしれないそうです。
    先日目にした「数十年後のヒトはこうなる」という画像はなかなか衝撃的でした。
    首は今より約10度前傾になり、肩が盛り上がって猫背に。その姿はヒトの祖先と言われる猿人のよう。
    テクノロジーの進化で体格が後退するとはなんとも皮肉なことです。

    骨格変化とまではいかなくても、以前より首コリや肩こり、手指の痛みを感じていませんか?
    その不調、そのままにしていると本当に骨格を変えてしまうかも。
    骨格の歪みはその他の不調も引き起こします。
    疲れたなと思ったら、こまめにケアを。それにはフィトセラピーが有効です。

    手や指の痛み・違和感には、ハーブor精油を使った芳香浴がオススメです。
    手を休め、血行促進に働くのはローズマリーやラベンダーの精油です。
    ハーブなら、ローズやジャーマンカモミールを少量の熱湯で濃いめに抽出したものに水を加えて使います。
    この時期、湯に浸かった後の肌は急激に乾燥が進みます。
    手浴の後はぜひ、アロマトリートメントオイルで肌の保護を兼ねてアフターケアをしましょう。
    香りによる鎮静効果は、デジタル機器から意識を遠ざけるのにも役立ちます。
    ひと息つく際は、マロウブルーやハイビスカスのハーブティーを。眼精疲労を和らげます。

    スマホの使いすぎは「依存」の一種ということも。
    一つのものやことに縛られてしまうと人は視野狭窄に陥り、柔軟な判断力を失ってしまいます。
    依存に陥らないためには流されず「意識」すること。
    意識的に手を止めて、他の行動を。スマホ以外の趣味や習慣を大切に、たとえば自分でアロマやハーブをブレンドしてセルフケアをすれば、お肌やボディ磨きにもなって一石二鳥です。
    さあ、これを読み終わったらスマホを置いて、植物の力を借りて、心も体も柔軟にしていきましょう。
  • #052 2019.11.7
  • この冬は、美味しく食べて溜め込まない
  • 気温の高い時期よりも代謝が滞りがちな寒い時期は、どうしても老廃物や毒素が体内に蓄積してしまいます。
    寒さで運動量が減ることや、夏の食欲減退が解消されて、
    食べ物が美味しくなることで余計に食べ過ぎてしまうのも一因でしょう。

    冬太り解消には、適度な食事と適度な運動、これが一番ですが、それができたら困らない…!ですよね。
    食事はあまり我慢せず、食べたいものを美味しく食べるのが一番ですが、ボリュームとバランスと塩分に気をつけて。
    とくに塩分過多はむくみにつながります。
    でも塩分ひかえめな食事は味気ない、そういうときはスパイスで味にパンチを効かせてみましょう。

    アロマセラピーの精油で知られているジュニパーは、代謝促進の作用があるため、
    トリートメントオイルにしてマッサージに使います。
    ブレンドにはやはりデトックスに働くサイプレスがおすすめです。 ジュニパーはヒノキ科の植物の実で、熟すと紫色が黒色に変化します。
    有名なのはお酒のジンの風味付けに使われていること。
    ドライハーブは市販品で手に入れやすく、お料理では肉料理の臭み消しや、マリネ液などにも使います。
    いつものお料理がジュニパーの香りでひと味違うものになり、満足感もアップしますよ。
    食べ過ぎ抑止にも効果的かも。「美味しく食べて溜め込まない生活」に、ぜひおためしください。
  • #051 2019.10.31
  • お気に入りを翌年も心地よく着るために
  • いつのまにか季節は冬へ。衣替えはもうお済みですか?
    夏〜秋に活躍したアイテムをしまう時はちょっとひと手間かけるだけで、来年も気持ち良く袖を通すことができます…

    巷にはさまざまな防虫剤が販売されていますが、香りが気になる方もいるのでは?
    衣替えで衣類を出した時、ケミカルな匂いはちょっと不快なものですし、
    なかなかニオイが取れないのも困りものです。
    衣類の防虫には、ハーブと精油でお手製の虫除けサシェを作ってみませんか?

    作り方はとてもかんたん。
    香りに防虫効果のあるハーブを香りが飛びやすいようにこまかく千切り、お茶・だし用パックに入れるだけ。
    端にリボンを付ければ、クローゼットに吊り下げることもできますね。
    もしくは精油を綿に染み込ませ、お茶パックに入れてもOKです。
    虫が嫌うおすすめのハーブ・精油は、
    ゼラニウム、タイム、ペパーミント、ヒノキ、ユーカリ、レモングラス など。
    精油を使う場合は、変色させる可能性があるので、直接衣類に触れないように気をつけて。
    シーズンオフの衣類をしまう際は、防カビ・防湿のために風通しにも配慮を。
    また、しまう際は必ずお洗濯をしてから。食べ物のシミ汚れは虫がよろこぶエサとなり、
    虫食いの原因になってしまいます。
    お手製の防虫サシェは3ヶ月くらいが交換の目安です。
  • #050 2019.10.24
  • 味はセイヨウ、見た目はニッポン
  • ハロウィンのシンボルとして知られるカボチャ。日本では冬至に食べて冬を乗り切る野菜で知られる栄養価の高い食物です…

    カボチャの栄養価は高く、ベータカロテン、ビタミンE、ビタミンC、食物繊維も豊富です。
    血液循環を促すビタミンEが豊富なことから、冬に摂ると血行を促進し、冷えを防ぐといわれています。また、ビタミンEはホルモン調節にもはたらき、カロチノイド色素やビタミンCとそれぞれ相乗効果を発揮します。1つでさまざまな栄養が摂れ、そして美味しい!カボチャ特有のあのホクホク感は炭水化物のデンプンによるもの。糖質カットダイエットをされている方はチョット考えてしまうかも!?

    煮物、天ぷら、スープ、プリンなどのデザートにしても大変美味しくいただけますが、カボチャの食物繊維は水溶性が主なので、焼いて食べると逃さず余さず摂取できます。
    煮物ならぜひ煮汁ごと食べましょう。お砂糖控えめで煮るといいですね。もしくは電子レンジを使用すれば、豊富な食物繊維をそのままに、やわらかく出来ます。

    実の美味しさと栄養価の高さに加えて、注目したいのは「タネ」。
    油脂やフィトステロール、セレンや鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含むスーパーフードです。植物療法では良性の前立腺肥大や過敏性膀胱、頻尿、失禁などの泌尿器系のトラブルに用いられます。タネは周りのワタを取り除き、天日干しで1週間ほど、表面のカサカサした膜をさっと取ってから中身を取り出します。尖った方の先を爪切りでパチンと切ると、殻がふたつに割れ安く、実を取り出しやすいです。天日干しせずすぐに食べるには、フライパンで乾煎りして、トースターで表面がうっすらと焦げるくらい焼きます。少し冷ませば殻ごとポリポリ食べられます。

    ところでカボチャにはセイヨウカボチャと日本カボチャがありますが、栄養学的に優るのはセイヨウカボチャです。ベータカロテンの含有量などは圧倒的にセイヨウカボチャで、日本カボチャと比べると味も濃厚。見分け方は、かたちや外皮がつるんとしたのがセイヨウカボチャ、溝が深く白っぽいのが日本カボチャ。見た目は日本カボチャの方がユニークでフォトジェニック、ハロウィンや絵画作品に描かれているのは日本カボチャが多いようです。
  • #049 2019.10.17
  • 食べたい!ときに飲むハーブ
  • 食欲の秋!この時期、お店には美味しいものがあふれ、気候も心地よくて活力アップするとともに食欲もアップ。
    そして年末年始にかけて食欲はさらにヒートアップ…そんな時に頼もしいハーブとは?!

    健康増進に役立つハーブのおもな働きには「抗酸化作用」がよく知られていますが、
    もうひとつ、注目したいのが「抗糖化作用」です。
    美味しいものを食べると、体内でタンパク質と糖が反応して、最終糖化産物「AGE」が作られます。
    AGEは、糖尿病や高血圧、脂質異常症、そして肥満など、
    生活習慣病や炎症などを悪化させる要因になるのです…。

    ハーブには、このいまわしい糖化を防ぐ「抗糖化作用」があります。
    代表的なものが「マルベリー」で、これは桑の葉のハーブ。
    あまり知られていませんが、桑の木の皮「桑白皮(そうはくひ)」は、
    日本で医薬品として認められているものです。
    ハーブティー用のマルベリーは、桑の葉を飲みやすくロースト(焙煎)して売られています。
    抗糖化作用を高めるには、マルベリーを食前もしくは食事と一緒に摂ることがポイント。
    ミネラルも豊富なので、女性に不足しがちな鉄やカルシウムの補給にもなります。
    また、食物でとりづらい亜鉛も豊富です。この時期はもちろん、習慣的に飲むといいですね。

    マルベリーは焙煎していないグリーンのパウダーも販売されています。
    独特の青臭さがあるので好みがわかれますが、お抹茶のように湯でといて飲むもよし、
    抹茶塩のように粗塩とまぜて、食事で摂るものいいですよ。
    ノンカフェインなので、お子様から妊婦さんも摂取できるのも好ポイントです。
    秋から冬、美味しいものとセットでマルベリーをぜひ♪
  • #048 2019.10.10
  • 秋の夜長におすすめ・フィト式入眠術
  • こんにちは。野口花琉実です。
    だいぶん秋らしくなり、過ごしやすい気候になりました。
    スポーツや旅行、近所の散歩でも美しい風景に出会える季節ですね。

    さて、秋の夜長は何をして楽しみましょうか。インターネット、テレビ、ビデオ、読書、どれも時間を忘れて夜更かしをしてしまいそうです。
    しかし、夜に一番大切なのは何といっても眠ることです。
    生命維持のために睡眠はとても重要ですが、学校に『よい睡眠とは』という授業はありません。
    誰でも自然にできることだと思われています。
    でも、本当に体や脳に良い睡眠をとれているでしょうか?
    眠れず悩んでいる方も相当数いらっしゃるのではないかと思います。

    眠りには、①体が休息するレム睡眠、②脳が休息するノンレム睡眠の2つがあり、1度の睡眠でこの2つが交互に訪れます。
    そのバランスがよいのが『よい睡眠』です。

    睡眠中、私たちは何もしていないように思いがちですが、実はそんなことはありません。
    体の中ではとても大切なことが行われています。 その一つがホルモンの分泌です。
    成長ホルモンは成長期の過ぎた大人にとっても重要で、「代謝」をコントロールすることで脂肪燃焼や疲労回復、肌や骨や筋肉などの修復に関わっています。
    むしろ、大人にとってこそ大事!ではありませんか?

    さてそこで、秋の夜長は「フィトセラピー+呼吸法」で、「よい睡眠」の習慣を身につけていきましょう。

    呼吸も、生まれた瞬間から自然にしていることなので、とくに意識をしないかもしれません。
    ところが実は、呼吸は自律神経に働きかけることができる、素晴らしいツールなのです。
    就寝前には、副交感神経を刺激してリラックスへ導く、深い腹式呼吸を行いましょう。ポイントは2つ。

    ①できるだけゆっくりと、鼻で吸って、鼻で吐く。
    ②好きな香りの精油で芳香浴をする。

    精油は好きな香りのもので構いませんが、脳を覚醒させてしまう種類もあるので、リラックス効果のある精油を選びましょう。

    〜就寝前のおすすめ精油〜
    ○ラベンダー ○ベルガモット ○ローマンカモミール ○フランキンセンス

    「フランキンセンス」は、古代から祈りの儀式などにも使われているだけあって、心を静かに落ち着かせ、呼吸を深めてくれるのでとくにおすすめです。

    使う精油が決まったら、ティッシュペーパーに一滴垂らします。
    灯りを消して横になり、ティッシュペーパーを顔の前でヒラヒラさせながら香りを楽しみます。
    1分間くらいゆっくりと香りを感じたら、ティッシュペーパーを顔の横に置き、両手は体の横に手のひらを上向きにして自然に置きます。
    目を閉じてゆっくりと鼻で息を吐き、吐ききったら鼻からゆっくりと静かに息を吸います。
    このゆっくりと楽な呼吸を繰り返しながら意識をお腹へ。
    腹部が膨らんだり、へこんだりするのに集中してください。時間は決めなくて結構です。
    そのまま眠ってしまえればそれがベスト。
    眠れなくても、5~10分ぐらい、ゆっくりとした呼吸を続けます。
    次第にリラックスモードになっていき、良い睡眠の態勢に入っていきます。

    ぐっすり眠れた翌朝は目覚めもスッキリ爽やかです。
    秋の夜長は、質の良い睡眠をたっぷりとって、充実した毎日を過ごしましょう。
  • #047 2019.10.3
  • 秋です。乾燥対策はお早めに
  • 朝晩の気温がぐっと下がり、日中との気温差が大きくなってきました。秋ですね。
    空気がカラッとして気持ちがいいですが、そろそろ体の中も外側も乾いてくる季節です。
    早めの対策で乾燥からくるダメージに備えましょう。

    最初に皮膚の乾燥を感じるのは「手」でしょう。
    水仕事を繰り返す手の皮膚は油分を奪われやすく、空気に晒されると急速に乾燥が進みます。
    水が冷たく感じるようになるとお湯を使う頻度も増えますから、ますます手はカサカサに!
    乾燥が進むほどリカバリーには時間も手間もかかります。ひどくならないうちにこまめに保湿をいたしましょう。

    「カレンデュラ」のハーブの黄色はカロチノイド色素によるもので、皮膚の粘膜の修復と保護にはたらきます。
    市販の保湿剤にもカレンデュラを使用したものがありますが、ハーブを使えばカンタンにオリジナルで安心な保湿剤が作れます。
    ちなみにカレンデュラはマリーゴールドの同種で、観賞用ではない品種の花弁がハーブとして使われます。

    【カレンデュラオイル(浸出油)を作る】
    ①ガラス瓶にカレンデュラのハーブを入れる。
    ②マカデミアナッツオイルなどの植物油を9分目ぐらいまで注ぐ。
     *ハーブがオイルを吸って膨らむので、オイルは瓶の口まで入れません。
    ③冷暗所で2、3週間置く。
    ④ガーゼなど目の細かいものでハーブを受けて、保存瓶にカレンデュラの浸出油を濾し受ける。

    保湿作用に優れたカレンデュラの成分が溶け出したオイルは、保湿クリームの機材としたり、手作りのリップクリームに混ぜて使ったりもできます。
    トリートメントオイルとして乾燥の気になる肌のケアに使用してもよいでしょう。

    素足で過ごすことの多かった夏、足のかかとが乾燥している人は多いと思います。
    お風呂上がりで皮膚が柔らかくなっている時に、かかとに保湿ケアをしておきましょう。

    秋から冬にかけて、植物を使ったボディケアを本格的に学びたい方は、ソフィアフィトセラピーカレッジの「フィトボディケア講座」がおすすめ。
    1Dayで知識から具体的なケアグッズ作りまで、体験的に楽しみながら学べますよ!
  • #046 2019.9.26
  • 厳しい残暑に。心と体に染み込むお茶を。
  • 夜ともなれば虫の声に秋を感じられるようになりましたが、昼間は一転して暑さの名残がどっと押し寄せています。
    季節の変わり目は体調を崩しがち。不調の兆しを感じたら、ハーブティーでパワーチャージしましょう。

    ようやくエアコンなしでも眠れると思ったら、夜中に寝苦しさで目覚めてしまったり。
    エアコンの効いた室内で長時間過ごし、体の末端が変に熱っぽかったり。
    9月は何かと体に変調をきたす季節です。
    夏のあいだに体に蓄積した疲労が堰を切って現れ出てくるのもちょうど今頃。
    向かう季節は心地よく過ごせるはずの秋なのに、体調が良くないと楽しめません。
    早く体調を整えたい方にオススメなのが「ハイビスカス・ペパーミント」のブレンドティーです。

    疲れているとなぜかすっぱいものを欲するのは、体のセンサーとシステムが正常な証拠。
    人は疲れると疲労物質の乳酸が体に溜まってきます。
    クエン酸には乳酸を分解する働きがあるといわれています。
    私たちの体には自然治癒力が備わっていますから、からだが必要とするものを自然と求めるのは不思議なことではありません。
    昔から農作業で疲れると梅干しを食べたのも人の自然の欲求によるものでしょう。

    クエン酸、ハイビスカス酸などの植物酸が豊富なハイビスカスは、夏の疲労回復にはもってこいのハーブティーです。
    豊富なビタミンCは、紫外線でダメージを受けた肌のリカバリーにも。
    粘液質やペクチンも含むので腸内環境を改善する働きもあります。
    ティーの色は脳を活性化させる赤色で、目から元気ハツラツになりそうな鮮やかさですが、それもそのはず、ハイビスカスの赤色はポリフェノールの一種で眼精疲労の回復に働くアントシアニンです。

    注目ポイントが盛りだくさんのハイビスカスのハーブティーは、体の中心からじんわりと温もりが広がっていくのを感じ、爽やかな酸味はまるで細胞の一つ一つを目覚めさせてくれるよう。
    ストレートだときつい酸味もミントを少しブレンドするとさっぱりとします。ぜひお試しください!
  • #045 2019.9.19
  • お彼岸は香りに思いをのせて
  • 9月20日から26日は秋のお彼岸です。ご先祖様や親しい方のご供養に、お墓まいりをされる方も多いでしょう。
    やむをえず遠方から手を合わせるだけでも、心は伝えられるはず。
    そんな時には少しだけ、香りの力を借りてみてはいかがでしょう。

    洋の東西を問わず、ご供養にはそれぞれのしきたりがあります。
    宗派による違いはありますが、お坊さまは法要の際に粉末のお香を体につけるそうです。
    これはお香で身を清め、魔を遠ざける意味もあるとか。
    お香の歴史は仏教伝来時に遡り、香り高い香木を原料としました。
    後世になるとお香はさまざまな植物から作られるようになり、香りを楽しむ文化が生まれました。

    現在親しまれているお香にもさまざまなものがありますが、中でも「樒」(しきみ)で作られたお香は昔から、仏事をはじめ、お祓いにも使われてきたそうです。
    「樒」は、シキミ科の常緑樹で、温暖な地方に自生し、全体から良い香りを放つ植物です。
    葉、枝、実にいたるあらゆる部位に毒性があり、実はハッカクや椎の実と間違われ知らずに食べて中毒症状を起こしたり、時には命を落とす人もいたようです。
    そのため「悪しき実」と呼ばれ、それが短くなってシキミという名がついたという説も。
    墓地に植えられることも多いですが、それはこの植物の香りが虫や獣を避けることから、魔を避け、ひいては仏を餓鬼から守るとされたことによるそうです。
    お祓いに使われてきたのもうなずけますね。

    天然のしきみ香は奥三河地方の特産品で、ごくわずかな生産者のもとで今も手作りされています。
    原料のシキミの葉を摘み取り、乾燥させ粉にして、松ヤニと混ぜ合わせて成型するという生産工程は大変手間がかかり、大量生産できないためお値段は高め。
    有毒性の植物が原料ですが、時折お線香に火を灯すくらいなら心配はないでしょう。
    むしろ爽やかな香りは森林浴をしているような心地よさが味わえ、心にモヤモヤがあるときや、場の空気を浄化したいときなどにおすすめです。

    お彼岸に墓前へシキミの枝をお供えするのが難しいときは、1本のしきみ香を燻らせて、彼岸の方角といわれる西に向かって手を合わせてみてはいかがでしょう。
    大切な人への思いも香りに乗って、きっとあちらへ届くはず…
  • #044 2019.9.12
  • 世界的な医薬品のもとはあの植物
  • 先日、一部医薬品を公的医療保険の対象から除外する方向で検討が進められているという報道がありました。
    医療保険制度の現状を鑑みると、そうした対応も今後必要なのかもしれません。
    私たちの健康を保つ上でとても大切な医薬品ですが、その多くが、植物を原材料に発展してきたことをご存知ですか?

    有名な所では「アスピリン」の名で知られる鎮痛解熱剤です。
    その大元の原材料は「ヤナギ」です。人がヤナギの葉や樹皮を一定の目的のために使用したのは、紀元前400年ごろまで遡ります。
    医学の父・ヒポクラテスは、ヤナギの樹皮を熱や痛みの緩和に役立てました。
    ヤナギの効能については1世紀頃に書かれた薬物誌「マテリア・メディカ」にも記されています。
    とても古くから人は身近な植物を利用していたのですね。
    その後19世紀に入ると、ヤナギの樹皮から「サリシン」という成分を分離して得られた「サリチル酸」という成分が、解熱鎮痛に働くことが化学的に判明しました。

    ではなぜ、サリチル酸は痛みを抑えることができるのでしょう?

    普通の人はあまりそこまで考えませんが、そうしたことを専門的に追求する一部の人(化学者)の好奇心と情熱によって、あらゆる科学技術は発展し、世の中を便利で快適で安全安心にしてきました。
    そんな人々の研究によって、サリチル酸は、人に痛みを感じさせる物質たちに働きかけて、その合成を阻害することで、人が感じる痛みを和らげていることがわかったのです。

    なお、アスピリンに依存性はないということですが、服用しすぎると胃を荒らします。
    鎮痛剤なのだから、胃の痛みにも効くはずと飲み続けると逆効果になるので気を付けましょう。

    世界で初めて人工合成された医薬品・アスピリンについては、近年さまざまな研究が進み、鎮痛解熱の他にも興味深い作用が発見されています。
    そんなアスピリンも大元を辿れば植物。
    知れば知るほど植物のチカラの奥深さと、人の知的好奇心・探究心の深さに感服せずにはいられません。

    ハーブやアロマには医薬品のような即効性はありませんが、植物化学成分が心や体へ優しく働きかけて調子を整えます。
    ハーブやアロマを学ぶと視界に医薬品が存在し、多くの学びや気づきを得ることになります。
    こうしたことも、植物を学ぶ面白さの一つなのです。

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